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“無駄を楽しむ”セレクトショップ/mountain mountain factory(マウンテンマウンテンファクトリー)

 愛知県で開催される遊びをテーマに楽しく豊かなライフスタイルを提案するイベント『FIELD STYLE』。全国のアウトドアブランドが出展する中、もっとも多くのユーザーの支持を集めているのが、16の個性的な人気ガレージブランドが集結した『M16』のエリアだ。

 今回、取材をさせていただいたのは、その『M16』の代表であり、セレクトショップ『mountain mountain factory(以下MMF)』の代表である山口さん。MMFやM16のこと、またご自身についてのことも聞いてみた。

無駄を楽しむ時間から
クリエイティブなものが
生まれる

「MMFのコンセプトは“無駄を楽しむ”です。究極に無駄を楽しんでもらいたいというのがコンセプト。冬のキャンプだって言ってみたらそうですよね。わざわざめっちゃ寒い中、外へ行って、火を熾して、そこでご飯を食べる。なんでもかんでも『効率よく効率よく』って言ってる時代に、あえて無駄を楽しむ時間を持ってもらいたい。そういうところからクリエイティブなものが生まれてくると思っているんですね」

 MMFのオープンは2017年。ただその店名は20年以上前には誕生していたのだという。

「その頃は“マウンテンマウンテンキャンドルファクトリー”という名前でロウソクのアートをやっていたんですよね。当時は山中とかで行われる“レイヴ”という音楽イベントが流行ってて、そこでロウソクを販売していたんです」

 名前の由来もシャレが効いている。

「キャンドルは3人の仲間とやっていたんだけど、よくその3人で今後の計画とかいろいろ話していたんです。『あれやりたいよね』なんて話をして盛り上がるんだけど、いつも最後は『やりたいのは山々なんだけどね』って現実に戻っちゃう。その“山々”が“マウンテンマウンテン”になったんです」

 流れからすると、ロウソクのアートから現在のアウトドアアイテムのセレクトショップに業態を変えたのかなとも思うがそうではないらしい。

「キャンドルは20代の時にやめてるんですよ。20代の時にそういう活動を全部やめて、自動車販売の会社に入ってサラリーマンになってるんですね。14年くらいサラリーマンとして仕事して、それから脱サラしてここを始めた。だから長いこと“マウンテンマウンテン”は眠らせて、ようやくこのお店で復活したんです」

自分が欲しいものを
セレクト

 ロウソクのアートから自動車販売の会社員に。会社は順調に成長していたが、山口さんは退職の道を選び、MMFをオープンした。どんな理由があったのだろう。

「サラリーマン時代にそれなりの役職まで行ったんですね。会社も成長していって一部上場までいって。それで自分としては、入った頃は衰退産業でどん底だった会社を押し上げることができたから、 まあ何やっても楽勝でしょっていう思いがあったんです」

「あとはね」と山口さんは言葉を継ぐ。「会社を成長させていく中で、いろんな会社を淘汰してきたと思うんですね。そういうのもうやりたくないなって。だから贖罪じゃないですけど、淘汰じゃなくて街の中にあるカルチャーだったり人だったり、何かを育てたいって思いが強くなっていた」

 そうして生まれたのがMMF。名古屋から全国の人々にその独自のカルチャーを発信し続けている。なぜMMFはこれだけ多くの人々から支持を集めるのだろうか。

「アイテムは僕が使いたいかどうかで選んでるんです。たぶん世の中ってマーケティングして、いろんなSNSとか見たり雑誌見たりして、『今ってこういうものが売れるんだな』とか動向を見つつ仕入れる方も多くいると思うんですけど。僕はそういうときSNS一切見ないんです。自分が欲しいなって思いついたものを探して、余計な雑念を入れずに買う」

 ブレない姿勢とたしかなセンス。ユーザーはその姿に共感を覚え、MMFが扱う商品への信頼を抱くのかもしれない。ただその反響には少し戸惑いもあったという。

「お店を始めたときはこんなに人気になるとは思っていなかったんですよね。当時は土日だけ開けて趣味の店としてやるつもりでオープンさせるつもりだったんです。そしたらキャンプブームが到来して思いがけず忙しくなっちゃった」

新宿のデパートで
過去最高の売上

 冒頭で紹介した『M16』は山口さんのアクションから生まれた。テイストも様々で個性の塊のような16の人気ガレージブランドをどのようにまとめ上げたのだろうか。

「お店を始める少し前だったんですけど、当時はガレージブランドという存在をあまり知らなくて、アンチではないですが、そこまで好意的には見てませんでした」

 なんでこういうモノづくりをしているんだろうという疑問から、山口さんはキャンプ場やイベント会場に足を運んで様々な人と話してみたのだという。

「それで色々喋ったら仲良くなっちゃった。『そういう考えで道具作ってるんだ』、『こういうサイト作りをしてるんだ』みたいな気付きもあって。その頃には、全国のガレージブランドがFIELD STYLEにたくさん出展するようになっていたんだけど、バラバラで出展するのも大変だし、『せっかく愛知でやるイベントだから僕がまとめるから一緒に出ようよ』って。それで、その時に自分がすごくいいなと思った16ブランドを集めてM16を結成しました。現在は法人化してM16株式会社という名前で全国で活動してます」

 『M16』の人気はすさまじく、FIELD STYLEでは『M16』のアイテムを手に入れるために1週間前から泊まり込みをする人もいるのだそう。

「以前に新宿のデパートでM16のイベントをやったんですけど、2日間でそこでの過去最高の売上を達成しました。すごい反響でしたね」

事故がきっかけで
デザイナーに

 山口さんの個人的なことについても少し聞いてみた。20代のときに様々なターニングポイントがあったんだとか。

「21歳まで古着屋さんで働いてたんですけど、その当時古着ってすごく売れていたんですよ。稼いだお金でずっと海外行ったりとかして。まあ世の中なめてたんですよね。20歳そこそこで金持っちゃったらおかしくなっちゃうじゃないですか。 そんな時に大きな事故にあって。本当に死にかけて。身体が動けなくなったときにようやく周りの人のありがたみを知ったんですよね。それでようやく更生して」

 事故はそれまでの生き方を見つめなおすきっかけに。また新たな道を目指すきっかけにもなったという。

「身体が動かないからどんな仕事しようかなって考え始めて。入院中、身体を動かさなくてもやれる仕事って言ったら、PC使う仕事だよなって思って。25年くらい前なので、当時としては早かったと思います。その頃にAppleから iMacっていうすごいデザインのPCが発売されて。『これだ!』と思ってPCを覚えてデザインの仕事に従事するようになりました」

デザイナーから会社員に
そしてMMFを開店

 思い立ってからそれを仕事にするまでのスピード感がすごい。デザインの仕事は4年ほど続けていたが、あまりに巨大な案件が当時26歳だった山口さんの前に立ちはだかった。

「あるときに県関連のHPの巨大な案件の依頼が来たんです。『この仕事仕上げることができたら優勝でしょ』って思って軽く受けたら、もう部屋中、関連資料が入ったダンボールの山(笑)。大変なもの引き受けちゃったなあって。終わった頃にはもう真っ白になってました。そんな疲れ切った状態のときに声をかけてもらったのが前職の自動車販売会社です」

 そこでは販売促進とデザインをはじめ、車を売ること以外のすべてを『好きにやってくれ』と任されていたのだという。入ったときに従業員30人前後だった会社は山口さんがやめる頃には約5,000人の大所帯となっていた。

「自由にまかせてもらってスキルアップはできたし会社は大きくなったけど、大きくなりすぎると僕ができることってなくなっちゃうんです。成長しきった会社は当たり前のことを粛々とっていうマインドになっていく。そうなるともう属人的な仕事の進め方が許されなくて。それで安らげる新居のつもりでつくったのがこのMMF。でもキャンプブームと重なって、この業界の先駆者みたいになってしまった。僕はただ焚き火が好きなだけなんだけどね」

GEAR MISSIONは
『かっこいいから使いたい』
ストーブ

 MMFではGEAR MISSIONの『KS-GE67』のオリーブグリーンが使われている。なぜトヨトミをセレクトしていただいたのだろう。

「キャンプってどれだけアイテムを同じテイストで揃えていっても、大型のアイテムのデザインひとつで台無しになってしまうことってあるんですよ。でもGEAR MISSIONならいい。今までのストーブは『寒いからしょうがない』って使い方だったんだけど、これは『かっこいいから使いたい』ストーブになっている」

 暖かさにも満足しているのだという。ただ工夫をこらせば、さらに魅力的な使い方ができるのではないかとも思っている。

「熱が全部上に行っちゃうんで、背の高い大型のテントだと上の方にこもっちゃって、上は暖かいけど下は寒いっていうのがある。上からサーキュレーター回してあげるとかそういう工夫は必要だなって思いますね。まあでもそうやって付属品が生まれていくからいいんだけど。あと灯油は消費しますね。でも、こればっかりはしょうがないです。暖かいんだからしょうがない」

人やブランドの成長を
手助けしたい

 様々な経験を重ねてきた山口さん。MMF、そしてM16の現在地についてはどう思っているのだろう。

「今はお店もそれなりに順調に行くようになって、M16っていう最高の仲間たちに出会って。16ブランドみんな個性の塊なんですよ。自分も含めて、みんなめちゃめちゃめんどくさいやつらばっかりなんで(笑)。普通に考えたら、物作りしてる人を16人集めて仲良くできるわけがない。でもこうやって何年もみんなで全国飛び回ってやれてる。これはもう誰にも真似ができないことだと思います」

 最後に山口さん自身のこれからの展望を聞いてみた。

「もともとは人の役に立とうって思っただけなんですよね。会社を育てたり、スタッフの成長だったり、そういうことが自分にとってのライフワーク。『M16』もそうですね。そこに参加しているブランドがどんどん成功して世に出ていくっていうのがすごく嬉しい。今はアウトドアがメインですけど、アウトドアに限らず多方面でそういうことができればいいなって思ってます。自分のことはもうわりとどうでもいいんで。人のためにやっていきたいですね」


ご紹介したストーブ

KS-GE67 オリーブグリーン
GEAR MISSIONの高火力ラウンドタイプ。
https://www.toyotomi.jp/products/heating/convection/gear-mission/ks-ge67


ご紹介した店舗

mountain mountain factory
住所:〒466-0058 愛知県名古屋市昭和区白金2-14-5
営業時間:平日 12:00~20:00 土日祝 10:00~19:00
定休日:木曜日
(営業時間について詳しくは公式WEBサイト・公式SNSをご確認ください)
公式WEBサイト:https://mmf.tools/
Instagram:https://www.instagram.com/mmf_tools/


※本記事に掲載の情報は2023年2月時点のものです。
※店舗で撮影したモデルは現在販売しているモデルと外観が一部異なることがあります。


photo / asai
interview / oshima
text / gambe


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